人の姿をしながらも人ではないモノ扱いとなるバイオロイドには人権が無い。
そのためコスト面でも通常の兵士よりも安く、しかも戦闘モジュールのおかげで訓練の期間も必要がなく即座に大量投入が可能と消耗の激しい戦場との相性は非常によいものだった。
また、命令が無い限りは人間に危害を加えないよう制限がかけられていたため暴走などによる虐殺は発生しないと考えられていた。
しかし、男性型のバイオロイドには感情制御の面で設計的に致命的な欠陥があった。
最初の事件はトルコの東部の都市モースル。ここで罵声を浴びせられた
T-1ゴブリンは感情の制御が出来なくなり住民を大量虐殺した。
モースルの事件は
ブラックリバーがもみ消し、
契約の守護者が起こした事件とされたが、二回目はそうもいかなかった。
ニューオリンズのデモ隊に対してまたも
T-1ゴブリンが暴走。デモ隊を虐殺する事件が発生した。
ニューオリンズ虐殺は紛争地帯での事件と異なり、武装していないデモ隊に責任を擦り付ける事も難しく、
ブラックリバーは
T-1ゴブリンの破棄を決定。
リコールを発動し、後継として男性型ではコントロールしきれなかった感情制御面を女性型にして克服した
T-2 ブラウニーを開発した。